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リーガル2585☆昭和の時代、誰もが憧れたリーガルウイングチップ☆2235との違いも

2020年11月7日

 

リーガル2585

リーガルの紳士靴には定番と呼ばれるシリーズがいくつかあります。
以前ご紹介させていただいたプレーントゥの2504NAもそのひとつですがウイングチップの靴を思い浮かべる方も多いと思います。
フルブローグと呼ばれる飾りをほどこした短靴ですが、2504NAで紹介したようにアメリカ靴の影響を強く受けたリーガルではアメリカ同様にウイングチップと呼んでいます。
僕もリーガル同様にウイングチップと呼ばせていただきます。
さて定番のウイングチップには2235NAの型番がつく革底モデルと2585Nと呼ばれるゴム底モデルがあります。
今回は僕が30年ほど保有している2585をご紹介します。

 

 

リーガルについて

2504の回でもご紹介しましたが・・・

1902年(明治35年)創業の製靴メーカーの老舗になります。
旧社名は日本製靴株式会社、現在はブランド名が企業名となりリーガルコーポレーションとなっています。
通常はブランド名でリーガルと呼びますね。

戦前は軍靴を主に製造していましたが戦後、グッドイヤー・ウェルト製法の紳士靴の生産を開始します。
同製法は今でもリーガルの看板製法となっているのは皆様ご承知の通りです。

1961年にはアメリカのブラウン社(現 クラレス社)とリーガル・シューに係る技術導入契約を締結。「リーガル」ブランドの各種紳士靴の生産、販売を開始します。

1970年には東京八重洲口に直営店を1972年には婦人靴も発売するなど国産製靴のトップブランドへと成長します。
現在は海外生産の低価格モデルからパターンオーダまだ取りそろえています。

海外のエドワードグリーンなどの高級紳士靴やビスポーク(オーダーメイド)など特別な嗜好が無い限りほとんどの社会人に満足出来る一足が選べるメーカーだと思います。

個人的な意見ですが、リーガルを購入するなら国産のグッドイヤー・ウェルト製がおすすめです。
履く人に合わせにコルクが足形に沈んだ靴の履き心地はセメンテッド製法ではなかなか出ません。

※本稿は株式会社リーガルコーポレーションのホームページ 沿革を参考に作成しました。
参照したページはこちら

REGAL 2235NA


[リーガル] メンズ 2235 ウイングチップ(革底) (24cm, ブラック)

2585を紹介する前に簡単に2235NAを紹介します。
正確にはわかりませんが1970年代から販売しているとのことですのですでに40年以上のロングセラーです。
色は黒と茶。茶についてはかなり明るめですのでオレンジに近いかも知れません。
アッパーの革は細かいエンボスの型押しをしているスコッチグレインレザー。少々の傷は目立たないのが特徴です。
アウトソールは革、踵はゴムになっています。
残念ながらライニングは布製です。
インソールのマーキングは昔ながらのリーガル。定番の証ですね。
その上にインペリアルグレードの表記があります。インペリアルグレードとはリーガルの最高グレードを示しています。
もちろん製法はグッドイヤーウェルト製法、無骨な張り出したコバが製法を主張しています。
アメリカ文化に影響をうけた40代以上の方は当時憧れたのではありませんか?。

下は別の靴ですがインペリアルグレードの表記

リーガルインペリアルグレード


[リーガル] メンズ 2235 ウイングチップ(革底)

REGAL 2585


REGAL(リーガル)メンズ 2585 ウイングチップ(合成底)/ブラック (25.5cm)

今回ご紹介する2585は見ての通り2235NAとかなり似ています。
よく見るとストームウエルトが少々異なります。
2285は全周に渡り装着されていますが、2235はフロントで終わっています。
逆さまにしてみるとアウトソールが革と合成ゴムの違いもみてとることができます。
リーガルさんに問い合わせたところアッパーの革質も異なるとのこと。
当然2235が上質の革になります。
木型についても似ていますが完全に同じでは無いそうです。
インソールの表記は少々異なり、昔ながらのリーガルマークまでは同じですがこちらはインペリアルグレード表記がありません。


REGAL(リーガル)メンズ 2585 ウイングチップ(合成底)/ブラック (25.5cm)

最後に価格の差です。
メーカー希望小売価格(2019年12月現在)
2235NA 33000円(税抜き)
2585N 25000円(税抜き)
3割程度の違いです。この差をどのように考えるかですね。

僕の2585

冒頭にも書きましたように30年ほど前に購入したものになります。
靴の中の表記は2585Nでは無く2585です。現行モデルはどうなのでしょうか。
当時良い靴がほしくなり百貨店で購入しました。
海外製の革靴の情報ほとんど無い当時の日本人にとってリーガルは良い靴の代名詞でした。特にウイングチップは若者の憧れだったと思います。
購入した百貨店では2235と2585が置いてありました。(もちろん当時は型番も知りませんでしたが)
違いを訪ねる僕に「ほとんど同じです、ちょっと革の堅さが違うくらい」と説明され知識が全くなかった僕は進められるまま2585を購入した記憶があります。
革底の説明も無かったように記憶しています。
違いがわかる今だったら2235を購入していたと思います。
今でも少々残念な記憶です。

さてコンディションですが、あまり履いていなかったため30年を経た今でも現役です。少々ゴム製のソールが固くなり滑りやすくまた返りも悪いような気がします。

全体です。結構きれいじゃないですか。
遠目には新品は言いすぎかな?
グレインレザーのおかげか皺は目立ちません。

リーガル2585

トゥの部分内側のアップです。
アッパーのコンディションは悪くありません。
コバにダメージが見られますね。

リーガル2585

コバのアップです。
ダメージありますね。
今度、コバインクで補正予定です。

リーガル2585

アウトソールです。
合成ゴムです。
リーガルはゴム底でもこのように革底風の仕上げです。
こいつが滑るんですけどね。
リーガル2585

履き心地はリーガルの定番モデルらしくつま先にゆとりが感じられます。
靴のホールドはボールジョイント付近では無く、靴紐の締め付けで行っているような感覚です。
2504もそうですが、リーガルの定番木型に多いフィット感です。

お手入れは通常の革靴と同様に馬毛ブラシによるブラッシングとから拭きがメインで、たまにクリームを入れています。
グレインレザーなので傷にも強く普段使いしやすいと思います。

最後に


外羽根のフルブローグである2585は、カジュアル寄りデザインの革靴になります。
フォーマルな場では着用は避けるべき革靴です。
フォーマルの場では黒のストレートチップと決まっています。
仕事の場でも大切なお客様との面会では避けた方が無難だと思います。
逆に打ち解けた相手の場合は、着用しても良いと思います。
僕もジャケットで訪問できる相手の場合、フルブローグの靴で訪問することもままあります。
余計なお世話かも知れませんが、知っていて履くのと知らないで履くのでは大違いですので。

さてリーガルのウイングチップの定番2585いかがでしたでしょうか?
2235の弟分的な存在で、保有していることを自慢できないかもしれません。
しかしゴム底である程度の雨でも平気ですし手入れも簡単です。
税抜き25000円と比較的お手頃ですので最初のウイングチップには良い選択なのかもしれません。
ウイングチップ購入を検討されている方の参考になれば幸いです。