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初代インテグラタイプR★DC2R ベストハンドリングFF車

2021年4月18日

 

インテグラタイプR

すでに消滅してしまいましたがホンダのインテグラご存じでしょうか?

1992年11月にNSXの高性能スポーツモデルとしてリリースされたタイプRは手作業によるバランス調整などレーシングエンジン同等の組み立てや、徹底的な軽量化によりベースグレードより約120Kgもの軽量化を実現し、さらに足回り固められまさにサーキットベストのクルマとなっています。

このNSX TypeRはコアなスポーツカーファンには圧倒的な人気を博しますが高価で庶民に手が届く価格ではありませんでした。
その後1995年に三代目インテグラをベースにインテグラ タイプRが発売されます。
当時の新車価格は200万円強と一般人にも手が届く価格設定で庶民のタイプRとして圧倒的な人気を博します。

インテグラの歴史

クイントインテグラ(初代インテグラ)

1980年に発売されたクイントを起源とし1985年にモデルチェンジを行いクイントインテグラになります。
リトラクタブルヘッドライトを採用したスポーティな外観が特徴です。

クイントインテグラ
クイントインテグラ:出展 ホンダニュースリリース

カッコインテグラ(2代目インテグラ)

2代目は横長のヘッドライトが特徴で、マイケル・J・フォックスがコマーシャルで「カッコインテグラ」と言っていたのを覚えている方も多いのでは。
VTEC(B16A)を最初に搭載した車両として有名です。1600ccで160馬力を発生するエンジンは鮮烈でした。

2代目インテグラ
2代目インテグラ 出展:ホンダニュースリリース

3代目インテグラ

特徴的なデザインの丸目の4灯ヘッドライトが採用されますが、日本ではこのデザインが受け入れられず販売は低迷します。
海外ではそれほど不評では無いようで国内モデルのフェイスが変更された後もこのスタイルのまま販売は続行されました。
確かに当時は不格好に見えましたが、今見るとこれはこれで良いと思えます。

インテグラ3代目

3代目インテグラ 出展:ホンダニュースリリースマイナーチェンジに際し不人気の元になったフロントフェースは二台目同様の横長ヘッドライトとなり、カンフル剤としてタイプRが設定されます。
タイプRにはNSXのタイプR同様に外装色にチャンピオンシップホワイトを設定、チタン製シフトノブ、赤のレカロシート、モモステアリング、イエロー指針のメータが与えられました。
チタンシフトノブは手作業でシフトパターンを彫り込んでいたそうです。(尚、次のDC5インテグラではアルミ製のシフトノブに変更されました)

NSXのタイプR、DC2/DB8インテグラのタイプR及びEK9型のシビックタイプRを第一世代のタイプRと呼びます。

マイナーチェンジが成功したためか、当初の不人気からは想像つかない8年の長きに渡り生産され次のDC5にバトンタッチされます。

3代目マイナー後

3代目マイナー後(写真は98SpecR) 出展:ホンダニュースリリース

4代目インテグラ

4台目はクーペ専用モデルとなるが、クーペ市場の冷え込みの影響で2006年に生産終了、継続モデルは生産されずインテグラの歴史は終了します。

インテグラ4台目
3代目インテグラ 出展:ホンダニュースリリース

DC2R/DB8R(3代目インテグラ タイプR)

3代目インテグラのクーペモデルはDC2型、セダンタイプはDB8型の名称が与えられていることから、クルマ好きの間ではクーペのタイプRをDC2R、セダンのタイプRををDB8Rと呼んでいます。
実はDB8タイプRは5人乗車が可能な唯一のタイプRでした、この後に発売されるシビックタイプRは4枚ドアでも4人乗車モデルとなっています。
そのような意味でもDB8タイプRは稀少ですね。

初期には手作業でポート研磨を行うなど特別にチューニングされたVTECエンジン、ボディ強化、徹底的な軽量化(標準モデルより薄くされたフロントガラス、バッテリの小型化、遮音材の削除など)およそホンダ以外のメーカーでは2の足を踏むような内容が盛り込まれています。
おかげで当時はこのクラス最強を誇りました、土屋圭一氏などFF車に辛口のドライバーもベストモーターリングでも絶賛していました。

インテグラに関してはこのモデルと次の4代目(DC5型)にタイプRが与えられていることから3代目インテグラのタイプRを初代タイプRと呼ぶ事も多いです。

B18C SpecR

VTEC機構によりNAエンジンでリッター100馬力を越えるエンジンを量産していたホンダですが、B18C SpecRでは200馬力を実現します。単にパワーが出ているだけで無く、8000回転を越えてもまだ上昇を続けようとする高回転性能、レスポンス、エンジンサウンドどれを取っても一級品で、市販車にレーシングエンジンを載せたと言われるほどでした。
尚、B18C SpecRは初代タイプRのみにしか採用されていません。

B18C SpecR
B18C SpecR

■初代インテグラタイプR世代

初代インテグラタイプRは大きく三世代が存在します。

96spec

最初にリリースされたモデル。
世代中一番過激なハンドリングが与えられ、96Sepecを好むマニアも多いと言われています。

弱点はブレーキ。ホイールが15インチと小さいため、ローターも小さくなるためです。
ホイールが4穴と言うのも、選択肢が少なくなり不利ですね。

98spec

ホンダが想像する以上に、爆発的に売れたため予算を掛けて変更が可能になりました。
大きな変更点は
①タイヤ・ホイール関連
ホイールの大径化 15インチ→16インチ
ナットを4穴から5穴に
タイヤのワイド化 196→215

②ホイール大径化に伴うブレーキの大径化
③エキゾーストマニホールドの4in1化
④HIDヘッドライトの対応

96specのハンドリングが過激だったため、リアは安定方向にリセッティング変更されました。
このため96Specのハンドリングを好むユーザーも多いのは確かです。
個人的にはホイール大径化に伴う、ブレーキ強化がポイントだと思っています。

00spec

電動格納ミラーやスモークガラスなど快適性がアップされたタイプR Xが追加されています。
走行性能は98spec同等です。

中古で同コンディションなら、やはり00spec RXがおすすめです。
豪華装備と言っても電動格納ミラーなど今では当たり前の装備です。
しかも後から付けにくい装備ですので。

00specにはサンライトイエローという特別色があります。
中古価格はこの色が一番高くなるようです。

上原茂氏

NSX生みの親として知られている上原茂氏ですが初代インテグラタイプRの開発にも関わっています。
NSXタイプRを作り出した氏だからこそ、NSXタイプRと同様のスピリットを持つインテグラのタイプRが生まれたのでしょう。

上原氏はインタビューの中で「こういうスポーツカーは中辛じゃダメなんです。クルマづくりは甘口か辛口、もしくは激辛!」と述べています。
この言葉を実践するタイプRですね。

初代インテグラタイプRインプレッション

僕が保有するのは00specのRX,2000年の初年度登録のほぼ最終モデルとなります。
色はチャンピオンシップホワイト。特に大がかりな改造はしておらずなるべく生産時の状態を維持出来るように努めています。

乗って最初にわかるのがエンジンの素晴らしさ、VTECが作動すると一気にレッドゾーンまで駆け上がります。
エンジン音も奏でると言った表現がピッタリくるような綺麗な甲高い音で気分を盛り上げてくれます。

次にハンドリング、正直一般道ではさほど感動しません。というより差が出にくいのだと思います。
しかしサーキットでは嘘のように素晴らしいハンドリングを示します。まさにサーキットベスト。

駆動輪であるフロントタイヤに加重を掛けた状態でコーナーリングする限り、安定したコーナリングマナーを示す。
また挙動が予測できるのでコーナリング中に大きな破綻は起きにくい。

フロントブレーキはブレンボなどの対向キャリパーでは無く浮動型キャリパーであるが、富士スピードウェイのような高速サーキットでも確実に作動しフィーリングも良い。
特筆すべきは、走行枠30分の連続走行を行っても大きなパワーダウンや水温の上昇無く走りきれること。
エンジン屋ホンダの真骨頂だろう。

■DC2R中古車購入時の注意点

最終モデルが2000年ですので新しい車両でも20年落ちです。すでに旧車の仲間入りしそうな車種です。
必要部品の欠品もありますので維持にはそれなりの覚悟と費用が掛かります。
これから購入を考えている方は、そのあたりも考慮して購入して下さい。

エンジン・補機について

インテグラ エンジンルーム

基本的には丈夫なエンジンですが、エンジンオイル管理はしっかり行って下さい。
僕はモービル1 0W-40を半年毎に交換しています、年間の走行距離が4000~5000kmなので
距離にすると2000~3000km毎の交換になります。
VTEC作動はエンジンオイルにより行われますのでエンジンオイルの管理は大切です。
以前CR-XのSi-Rに乗っていたのですが、鉱物オイルを利用したらVTEC切り替わりがスムースに切り替わらなくなった経験があり
以降は比較的高性能の合成油を使うようにしています。
中古で購入する場合は、VTEC切り替わりを確認しましょう。

中古屋でクリーニングしてあることもあるので判断するのは難しいところもあるのですが、エンジンルームが綺麗な車両はメンテナンスもきちんとされている可能姓が高いです。
僕もコンディションを確認するため、エンジンルーム内も掃除しています、と言ってもから拭きですけどね。

スプールバルブ

スプールバルブ

VTEC切り替えを行うスプールバルブはオイル漏れを起こすことがあります。
僕も一度オイル漏れをして交換しましたがそれほど費用は掛かりませんでした。
ディストリビュータも良く壊れると言いますが、予備的に一度交換しましたが壊れたことは一度もありません。

オイルパン周りのオイル漏れにも注意しましょう。
パッキンの交換で済むはずですが、排気管がオイルパンの下を通っているため排気管を外す必要があり工賃は少し高くなるかも知れません。

ボディについて

古いクルマなので下回りに錆があると深刻です。
必ず購入前にリフトアップして下回りの錆を点検しましょう。
チャンピオンシップホワイトのボディなら下回りも白です。
下回り全体が黒く塗られていたら錆隠しかも知れません。

屋外駐車されている車両のウインドウのモール類は紫外線で劣化している可能姓が高いです。
モール類が傷んでいる車両は塗装も同様に劣化していると思って間違いないです。

リヤのランプ周りの水漏れはインテグラの持病として有名です。
ランプが曇っていたらパッキンの交換が必要です。
そこからトランクに水が浸入し錆を誘発しますので、カーペットをめくって錆の確認もしましょう。

ヘッドライトの曇りは経年劣化で仕方ありません。
ヘッドライトはすでに欠品しているので余りひどい状態の車両は避けた方が無難です。

DC2R中古相場

近年の旧車人気でインテグラタイプRの中古価格も上昇中です。
以前は150万も出せばそこそこ良い状態の車両が購入出来たのですが現在は200万円でも厳しいかも知れません。

2021年4月現在、最高価格は899万、最低価格は115万となっています(グーネット)
極端に値幅が広く、購入時に迷ってしまいますが信頼性の高い店舗で200万円位を中心に探してみると良いと思います。