アーロンチェア メンテナンス方法☆アーロンチェアは新品か?中古か?で悩んでいる方に!
プログラマーでもある自分は会社、自宅を問わずPCの前にいる時間が長いためPC用の椅子は結構うるさい方だと思います。
自宅には、オカムラ製のコンテッサ、バロン、フィーゴがありますが、高級オフィスチェアの代名詞とも言うべきアーロンチェアは保有しておりません。
皆様が絶賛するアーロンチェアの良さを実感するべく今回購入致しましたのでご紹介させていただきます。
アーロンチェアとは
このブログに興味を持っていただいて見に来て下さった方はもちろん承知でしょうが、簡単にご説明致します。
アーロンチェアはアメリカの家具メーカー「ハーマンミラー」社により製造されるオフィスチェアです。
ハーマンミラーの販売する家具はモダンで美しいデザインが特徴です。
こちらは同社の人気商品イームズシェルチェアです。
イームズ夫妻により1958年にデザインされたこの椅子は、そのモダンな美しさでどのようなインテリアにも溶け込むことから誕生から50年以上過ぎた現在でも世界中で愛され続けています。
アーロンチェアは1994年にドン・チャドウィックとビル・スタンフによりデザインされました。
人間工学に基づき細かく調整出来る機能およびメッシュ素材を利用した体重分散、通気性など革新的な機能で瞬く間に不動の人気を獲得します。
そのデザインの美しさからMoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久コレクションにも選定されています。
クラシックとリマスタード
アーロンチェアにはオリジナルのモデル(新型と見分けるため便宜上クラシックと呼ばれます)と新型であるリマスタードが存在します。
すでにクラシックは製造が中止され新品での購入は難しくなっています。
リマスタードは2016年にクラシックの改善版として発表されています。
外見上には大きな違いはありません。
こちらが従来のモデルクラシックです。
ハーマンミラーらしい美しいデザインです。ニューヨーク近代美術館の永久コレクションに選定されているのもうなずけます。
こちらが新型のリマスタードになります。
少々角度が異なるため比較がしにくいのですがほぼ同じ印象かと思います。
細かいところを見るといくつか違いが見られます。
まずは背もたれの奥に見える背当てパーツ(ポスチャーフィットと呼びます)、新型の方が少々立てに長くなっています。
座面の下のクッションなどをコントロールする部分は新型の方がコンパクトです。
操作系についても少々変更があり、旧型では座面下のレバーを上下に動かしコントロールしていましたが、新型は回転させコントロールするタイプに変わりました。
双方確認しましたが、操作系やポスチャーフィットのデザインに違いはありますが、座りごこちに大きな違いは感じられません。
操作系に関してはクラシックの方が使いやすいと思いました。
フルスペックとライトモデル
最新のリマスタードモデルにはフルスペックモデルとライトモデルがあります。
フルスペックは言葉の通りすべての機能が準備されており通常アーロンチェアと言えばこちらを指します。
ライトモデルは機能を省くことで低価格化を図ったモデルです。
アーロンチェア最大の特徴である前傾機能と肘掛けの稼働機能が削減されています。
こちらがライトモデルです。
ご覧の通り見た目はフルスペックモデルと大きく変わりません。
先にお見せしたフルスペックモデルはポリッシュドベースモデルと言って金属部分が光っているモデルです。
ライトモデルにはポリッシュドベースモデルはありませんのでそちらがほしい方は必然的にフルスペックモデルになります。
座面下の前傾切り替えレバーも付いていません。
見た目はフルスペックモデルとほとんど同じですのでアーロンチェアを友人/知人に自慢したい方はこのモデルで良いのでは。
こちらのようにアームの無いモデルも用意されています。
アームレストが無くなるだけで大分シンプルな印象になりますね。
こちらは楽器演奏者用とのことです。
確かにギター演奏などを行う際にはアームレストは邪魔になるような気がしますが、僕の知り合いの音楽家は肘掛け付きのアーロンチェアでギターを弾いていました。
なのであまり関係ないかも知れませんね。
折角アーロンチェアを購入するのだから、フルスペックモデルが良いと思います。
前傾機能は不要との声もあるようですが、僕はよく使いますよ。
アーロンチェアの価格と保証期間
アーロンチェアの発売元のハーマンミラーのホームページでは一脚あたり税込み201960円となっています。
機能を絞ったライトモデルでは肘掛けありが117720円、肘掛け無しが105840円となっています。(2019年8月27日現在)
保証期間はどのモデルも驚異の12年長期保証が付いています。(ガス圧シリンダーは2年)
ただしこちらについては、正規代理店で購入したユーザーに限るという条件がありますので、譲り受けた物は対象外になります。
アーロンチェアのサイズ
オフィスチェアには珍しくアーロンチェアは大きさの違いでA/B/Cのモデルが用意されています。(小さい方からA)
オカムラのオフィスチェアが座面の前後調整が出来るため、座面の長さは気にする必要がありませんがアーロンチェアが座面の前後調整は出来ません。
そのため深く腰掛けた際に膝裏が座面に当たらないサイズを選んでください。(深く腰掛け、腰が背もたれにピタリと付く座り方が正しい座り方)
さらにサイズによりガスシリンダーを下げたときの高さも違いため要注意です。
一番下げた状態で両足がピタリと床に付かないと太ももの裏が圧迫されます。
アーロンチェアの機能と特徴
①メッシュ生地
アーロンチェアの印象を特徴づけるのがペリクルと呼ばれるメッシュ素材です。
アーロンチェア以前はメッシュ素材を用いたオフィスチェアは無かった筈です。
メッシュ素材を採用することで通気性が確保し長時間座っていても蒸れずに快適です。
写真でも通気性が分かりますね。
②前傾チルト
こちらもアーロンチェアのみが持つ特徴的な機能です。
一般的なオフィスチェアではリクライニングの調整のみが可能ですがアーロンチェアでは、5°前傾させることが出来ます。
わずか5°ですが、机に向かって集中する作業をする際に上体をサポートしてくれます。
「背もたれが付いてきて姿勢を正してくれる」といった感じでしょうか。
※前傾チルトのON/OFFは背もたれに軽く体重をかけてリクライニングさせて行って下さい。
これを知らないで前傾チルトノブを力任せに操作して壊してしまう方が結構いるようです。
家具屋さんが言っていました。
③ポスチャーフィット
こちらは背もたれに付いている腰部のサポートです。
以前はランバーサポートと呼ばれる腰部のクッションで同様の機能を提供していました。
(他社のメッシュ生地のオフィスチェアにも同様の機能が用意されている物もあります)
ランバーサポートと比較し垂直方向に面積が大きくなったことで腰椎のサポート力がアップしています。
ダイヤルで簡単にサポート圧を変化させることができるようになっています。
④リクライニング
・座面連動
高級なオフィスチェアらしくリクライニングと座面が連動します。
そのためリクライニングしてもお尻が前に滑らず正しい姿勢を続けることが出来ます。
・リクライニング堅さ調整
リクライニングの堅さ調整は、レバーの回転によりコントロール出来ます。
こちらはレバーが100回転以上回りますのでかなり細かな調整が可能です。
正直面倒なので数回転でもいいですが。
・リクライニングの範囲調整
倒れる範囲を制限する機能です。
範囲を0にすることでリクライニング機能を殺すことも可能です。
前傾上体でリクライニングの範囲を0にすると前傾状態でロックされるので前傾椅子としても利用出来ます
⑤アーム
アームは高さ調整と水平方向の角度調整が出来ます。
高さは無段階、水平は標準位置に対し、内側と外側に1段変更出来ます。
高さ調整に関しては、ちょっと堅いので一度決めたらほとんど動かさない利用法です。
気分で常に変えるような使い方には向いていません。
水平方向はクリックがありますが軽いので問題ありません。
⑥高さ調整
もちろんガス圧による調整です。普通です。
今回ご紹介するアーロンチェア
①対象
アーロンチェアを購入する際にまず検討するのが、中古か新品かだと思います。
新品派は12年もの保証が付いているので絶対に新品が得だと言います。
たとえ20万で購入しても、12年利用すれば月あたりわずか1400円弱だよと。
もちろんそれは真理だと思いますが、一方我々庶民にとってソファでも無い単なるPC用の椅子に20万は高価です。
評判は好いですがが自分には合わないかも知れません。
そんなわけで今回は中古を購入してみました。さてどうなることやら・・。
アーロンチェアの中古はオフィス家具の中古店かヤフオクなどの個人売買のどちらかになります。
オフィスチェアなどの中古は一点物ですので本来は実物を見てから購入が一番ですが下記の理由からネットの個人売買出購入しました。
・オフィス家具の中古店のアーロンチェアは強気の値段が付けられている
・オフィスで利用されていたモノが多く個人利用よりもくたびれていることが想定される
アーロンチェアの選択ですが、リマスタードはかなり高いため(新品とほとんど変わらない)、クラシックが対象となります。
ポスチャーフィットモデルとランバーサポートモデルがありますが、ランバーサポートモデルはかなり初期のモデルであること、壊れやすいことから
ポスチャーフィットモデル狙いとなります。
②実際のアーロンチェア
こちらが購入したアーロンチェアです。
お気づきと思いますがヘッドレストが付いています。
もちろん純正ではヘッドレストは付いていませんのでこちらはサードパーティ製になります。
ネット素材が似ていますのであまり違和感はありませんね。
今回このヘッドレストが付いていたので思わすこちらを購入してしまいました。
状態ですが、「きちゃない」です。
正直、「やられた!」と思いましたよ、これなら新品を買えば良かったと。
分かりますか?フレームとペリクル(メッシュ素材)の間にホコリが詰まっています。
隙間に歯ブラシを入れて汚れ撮りを行います。
届かない部分は楊枝をつかって
。
そのほかは雑巾で水拭きを繰り返したら見違えるようになりました。
上の全体を移している画像が掃除後になります。
メンテナンス
アーロンチェアの良いところは、中古で12年保証を受けられなくても比較的安価に部品を購入出来る事です。
気になっていた以下の部品を交換しました。
バナナクッション
座面の先端にあるクッションです。
バナナクッションが傷んでくると座面の張りが落ちてきます。
残念ながらこのクッションは加水分解しやすいようで何年か利用するとかなりの確率でボロボロになっています。
中古で購入する際は必ずチェックしましょう。とは言え簡単に交換出来ますので安心してください。
さて今回購入したアーロンチェアのバナナクッションですが案の定ボロボロでした。
新品との比較です。張りが全く違います。(ピンボケお許しください)
それでは交換です。
取り外すとことの写真はありませんが、両面テープで固定されているだけですので少々力を入れて引き剥がしてください。
後はバナナクッションを押し込むだけです。
しかしバナナクッションで座面の張りを出しているので、かなりきついです。
バナナクッションには両面テープが付いておりこれで固定するのですが、不要と判断しテープは使っていません。
※1ヶ月ほど利用したしましたが外れる気配はありません。
フレームを押さえながら指で奥までしっかり押し込みます
ポスチャーフィット
購入時、一番気になったのはポスチャーフィットを支えるY字のパーツです。
(正式名称はPJウイッシュボーンと呼ぶそうです)
写真で見てもわかるとおり日焼けで白っぽく変色しています。がっかりしますよね。
さらにパッド(ポスチャーパッドと呼ぶそうです)も破損しています。
交換部品は購入出来ますので、早速購入します。
Y字パーツの比較です。かなり退色しているのが分かると思います。(向かって左)
パッドの比較です。完全に割れています。(向かって左)
バナナクッション同様にクッション素材が傷みやすいです。(向かって左)
厚みも相当薄くなっています。向かって右が古いものです。
ポスチャーフィットの交換方法
①Y字パーツの外し方
ポスチャーフィットの調整ダイヤルで一番緩くした状態でY字パーツを背もたれ側に押しワイヤーを外します。
この状態でY字パーツを上に持ち上げると外すことが出来ます。
②パスチャーパッドの外し方
今回はY字パーツとポスチャーパッドを新品にするので2つを分解する必要はありませんが今後のために練習しておきます。
Y字パーツとポスチャーパッドはこのネジで結合しています。分解すると分かるのですがネジを外さなくても分解できる構造になっています。
今回はネジを外しましたが、このネジはプラスチック製で頭をなめやすいので要注意です。
マイナスドライバーが2本必要です。間違ってもコインは使わないでください。プラスチック同士なのでネジは渋く確実にネジ山を駄目にします。
Y字パーツを外したところです。切り欠きがあるのである程度力をかければY字パーツと分解できることが分かります。
③組み立て
写真はありませんが、新品部品を先ほどと逆の手順で組み立て、アーロンチェアに組み付ければ完成です。
下記が完成の図です。購入時と比べると見違えるようになりました。
ネジのリフレッシュ
一部のネジに錆が見られましたのでこちらもリフレッシュします。
と言っても交換部品を購入するわけではありません。
錆の置換材を塗ることで錆の進行を止めるとともに見栄えを良くします。
(置換材を塗ると赤錆から黒錆に変化し黒くなります)
錆びたネジ。
アーロンチェアの背面フレームに利用されているため目立ちます。
錆び時間剤をネジの頭に塗り黒錆に変化しました。
この状態なら椅子に取り付けても見栄えに問題ありません。
上のポスチャーフィット取り付け完成画像では、ネジのリフレッシュも終わっています。
使い心地
メンテナンスをしたおかげで一気に愛着がわきました。
さすがアーロンチェア、新品の座り心地(だと思う)が復活です。
簡単にコンテッサやバロンとの違いを報告します。
①コンテッサとの違い
アーロンチェアは姿勢をキープされる感じですが
コンテッサは比較的ゆったりと座るイメージです。
アーロンチェア(Aサイズ)と比較し座面もゆったりしてます。
コンテッサではよくあぐらをかいていましたが、アーロンでは無理です。
ネットの張りの強さですが、コンテッサの方が柔らかいです。
②バロンとの違い
コンテッサと大きくは違いませんが、バロンの方が座面の横が狭いです。
このため姿勢の矯正と言う意味ではバロンの方が近いかなと思います。
尚、どちらの椅子もPCの入力作業に関しては後傾気味が向いているようです。
アーロンチェアは後傾も前傾も対応出来ますが、背もたれの固定機能が無いため後傾をキープするためには少し力が必要です。
そのためアーロンチェアを利用していると自然に前傾になるようです。
最後に
もちろんお金に余裕があれば新品を購入するのが一番だと思いますが、個人的には中古を購入し部品交換でリフレッシュでも十分かなと思います。
ただし中古、特に個人売買はリスクを伴いますのでくれぐれもご注意ください。
出来れば実店舗購入をお勧めします。
1ヶ月ほど利用していますが満足しています。とても良い椅子だと思います。
しかし「まるで浮いているよう」「異次元の快適さ」など歯の浮くような美辞麗句のブログを見かけますが、そこまでとは思いません。
また「腰痛が治った」などの意見もあるようですがこちらも「?」かと思います。プラシーボ効果かも知れません。
コンテッサやバロンもかなり良い椅子ですので甲乙付けがたいです。
すでにコンテッサやバロンを利用していて、満足しているならアーロンチェアに乗り換える必要はありません。
僕個人はしばらくアーロンチェアで過ごして見ようと思います。
気がついた点などありましたらまたこのブログでご報告致します。
以上、アーロンチェアのご紹介でした。
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