リーガル 2504☆リーガルの良心
前回予告したように、新たに購入したリーガルビジネスシューズ2504をご紹介します。
リーガルとは
1902年(明治35年)創業の製靴メーカーの老舗になります。
旧社名は日本製靴株式会社、現在はブランド名が企業名となりリーガルコーポレーションとなっています。
通常はブランド名でリーガルと呼びますね。
戦前は軍靴を主に製造していましたが戦後、グッドイヤー・ウェルト製法の紳士靴の生産を開始します。
同製法は今でもリーガルの看板製法となっているのは皆様ご承知の通りです。
1961年にはアメリカのブラウン社(現 クラレス社)とリーガル・シューに係る技術導入契約を締結。「リーガル」ブランドの各種紳士靴の生産、販売を開始します。
1970年には東京八重洲口に直営店を1972年には婦人靴も発売するなど国産製靴のトップブランドへと成長します。
現在は海外生産の低価格モデルからパターンオーダまだ取りそろえています。
海外のエドワードグリーンなどの高級紳士靴やビスポーク(オーダーメイド)など特別な嗜好が無い限り
ほとんどの社会人に満足出来る一足が選べるメーカーだと思います。
個人的な意見ですが、リーガルを購入するなら国産のグッドイヤー・ウェルト製がおすすめです。
履きこにコルクが足形に沈んだ靴の履き心地はセメンテッド製法ではなかなか出ません。
※本稿は株式会社リーガルコーポレーションのホームページ 沿革を参考に作成しました。
参照したページはこちら。
REGAL 2504
商品コード2504NAのプレーントゥのビジネスシューズです。
(ほかにも2504BFWという雪道対応ソールを持つモデルもありますが、こちらはソールを接着しているので本稿では対象外としています。)
1961年当時の日本製靴株式会社は、アメリカのブラウン社(クラレス社)と技術提携を行います。
その中で同社の傑作プレーントゥを日本人向けに改良し発売されたのが2504となります。
このボテッと少し野暮ったい革靴が50年以上、変わらず作り続けられています。まさにリーガルの定番です。
見た目は「ボテッと丸みのあるプレーントゥ」、「大きく張り出しコバ」、「外羽根」の無骨なデザインが特徴となっています。
まさにアメリカンスタイルです。
靴を脱ぐとそこに現れるリーガルマークも昔ながらのマークとなっており2504NAが定番モデルであることを主張します。
本来、1960年代に日本でVANなどが流行らせたアイビールックに似合う靴だとは思うのですが、極端に細めで無ければ普段のスーツに合わせてもおかしくありません。
特に40代以降のサラリーマンですと少しゆったり目のスーツをつくると思いますので違和感なく履くことができます。
グッドイヤー・ウェルト式製法
リーガルと言えばグッドイヤー・ウェルト式製法が有名です。
ご紹介してる2504もグッドイヤー・ウェルト式製法で作られています。
詳細はリーガルのホームページ内の主な製法で解説されています。こちら。
特徴は底(アウトソール)が張り替えられるため長く使えること、履き込むほど足に馴染むことだと想います。
革靴の選び方
2504は、リーガル定番なので最初の革靴に選ばれる方も多いと思いますので簡単に選び方を説明します。
靴全般にいえることですが通販で購入するのは避けた方が良いです。
リーガルはモデルによりラスト(木型)が全然異なります。履いて確認しないと絶対にわかりません。
出来ればシューフィッターのいる店で購入しましょう、リーガル直営店なら安心です。
サイズはスニーカーとは異なります。スニーカー靴型の全長をサイズ表記していますが、足の長さをサイズ表記しています。
一般的に捨て寸(靴内の余裕)を1cm程度取りますので、スニーカーのサイズから1cm程度引いたサイズが革靴のサイズになります。
その他、幅、甲の高さもありますので試し履きは必ず必要になります。
フィッティングの前に、靴下は革靴を履く際に利用するものを着用し夕方にショップに行きます。
足はむくむので朝夕で足のサイズが変わります。
靴を履く際は必ず紐を緩め靴べらを利用して履いて下さい、これは試着以外も同様です。
街履きのスニーカーのように紐を緩めずにそのまま履くとかかとを駄目にしていまいます。
フィッティングは踵とを覆うヒールカップの確認をします。
試着した状態で少し歩いてみるなどして下さい。
踵が靴内で動いてしまう場合ヒールカップがあっていません。
ヒールカップがあっていないと足が動いてマメが出来やすくなります。
次に幅、つま先の確認です。
良く革は延びるので少しきつめをと言われますが、履いた状態で靴が変形するようではきつすぎます。
また延びるとは言ってもほんのわずかですので考慮に入れなくても良いと思います。
つま先に関しては2504では形状的に当たることは無いと思いますが、はやりの細身の靴の場合、つま先の上側がアッパーに当たることがあります。
この場合は避けた方が良いでしょう。
最後に甲の確認です。
こちらも2504では余裕がありますのでほとんど問題になることはありませんが、細身の靴では甲が圧迫されることがあります。
靴紐をしめて甲が圧迫されないことを確認しましょう。
リーガル2504 レビュー
リーガル定番の2504ですが、革靴好きにはそっぽを向かれる要素がいくつかあります。
まず最初で最大の要素がガラスレザーです。
ガラスレザーとは、牛革のなめし後、ガラス(またはホーロー加工を施した鉄板)に貼り付けて乾燥させ、吟面(革の表面)を少し削って合成樹脂で仕上げた革を指します。
エナメル革と混同されることも多いのですが、エナメル革は通常の乾燥工程を行い、吟面も削っていません。
ガラスレザーはこのように吟面の削りが入るのでキズなどがある等級の低い(つまり価格の安い)原皮を利用することができます。
吟面を樹脂と塗料で仕上げてあるためメンテナンスも簡単で雨にも強いことから買い換え前提のビジネスシューズによく利用されています。
2504もまさにこの特徴を有する靴になります。
新品の状態ではつやつやピカピカでブラッシングだけでこの状態を簡単に維持することができます。
また少々の雨なら表面の合成樹脂で跳ね返しますので、から拭きすれば元通りです。
ビジネスシューズとしては最強ですね。
ちなみに僕はちゃんとクリームを塗り込み他の靴と同様のメンテナンスを施しています。
前の記事でも書きましたが、ガラスレザーの欠点としては、表面がひび割れやすいことがいえます。
厚めの樹脂が乗っているためボールジョイント部で革が割れてしまいます。
ヘビーローテーションすると恐らく数年でひび割れすると思われます。
経年変化を楽しむ靴にはなりませんね。このあたりが革靴好きにガラスレザーが毛嫌いされる要因でもあります。
次にアウトソールですね。
通気性を考えると革底がベストだとおもいます。
しかしゴム底は革に比べ耐久性も高いですし何より雪の日以外は1年中利用出来ます。
ビジネスシューズである2504にはゴム底がベストなのでしょう。
ただしゴム底のせいか少々靴の返りが悪いような気もします。
最後にライニングです。
ライニングとは靴の内側の張り物の事です。
高級な靴では革ライニングですが2504では布ライニングが用いられています。
一般的に革ライニングは「耐久性が高い」、「足の形を記憶するので次第に履き心地が良くなる」、「見た目の高級感がある」と言われています。
布ライニングは逆に「耐久性が低い」、「足の形を記憶しないので履き心地が良くなることは無い」、「見た目が安っぽい」となります。
個人的には、布ライニングは通気性が良くなりますのでまあ良しかなと考えています。
リーガル2504おすすめの1足です!
僕はこの靴にリーガルさんの良心を感じずにはいられません。
50年以上も同じ定番モデルを出し続ける、それを良心的な価格で提供する。
本当にすごいことだと思います。
リーガルに敬意を表しビジネスシューズはリーガルを愛用し続けますし、子供が学生時分は通学用の靴もリーガルを使わせていました。
海外製の靴やビスポークなど選択肢はたくさんある現代ですが、2504は持っていて損はない一足です。
尚、2504は時々リーガルアウトレットショップでも置いてあります。
こちらで見つけたら試し履きもできますしお安くなっているので狙い目だと思います。
リーガル2504は、手入れ不要で履きつぶす靴だとか、ガラスレザーなので駄目だとか言う人もいます。
一日履いたら、ブラッシングとから拭きを行いシューツリーを入れて数日休ませることで長くきれいな状態を保てると思います。
購入されたら是非大切に長く使って下さい。
尚、シューツリー選びに迷ったらこちらの記事を参考にして下さい。
以上、靴選びの参考になれば幸いです。
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