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リアルマッコイズ A-2☆ ジャビンジャグ JABBIN’ JUG

2020年5月18日

今年は寒の戻りもあり、A-2ジャケットを4月いっぱい着用することが出来ました。
さすがにゴールデンウィークを迎える頃になると出番は無くなりますので初冬まで出番はありません。
今回はA-2ジャケットについてご紹介とシーズンオフのお手入れ方法について解説致します。

A-2ジャケットとは

映画大脱走をご存じでしょうか?
捕虜収容所ないでマックイーンが着用する革ジャン、かっこ良かったですね。
憧れた方も多いのでは無いでしょうか?
この革ジャンが「A-2」です。

A-2はそれまでの陸軍航空隊の夏季用ジャケットA-1の後継として1931年から1944年まで採用されたジャケットになります。
素材はA1同様馬革ですがフロントがボタン留めからジッパーになるなど現代的なデザインに変更されています。
おかげで現代でも人気の高いジャケットになっています。もしボタン留めならここまでの人気は出なかったでしょう。

A-2は支給が終了する1944年までに約20万着がつくられました。
大量生産ため数社が生産を引き受けることになり、色の濃さや襟の造りポケットのデザインなどに各社の個性が生まれました。
今日のA-2マニアは自分の好きな製造会社(コンストラクター)のA-2を求めたり、異なるコンストラクタ品を購入して違いを楽しんでいます。

1987年、アメリカ空軍の創立40周年を記念して(第二次世界大戦中は陸軍航空隊)A-2が復活しました。
材質はヤギ革で全体に大きめのデザインとなっています
当時のように個人の改造は一切許されていません。

日本では現代のA-2はあまり人気が無くA-2といえば第二次世界大戦のA-2を指します。

撃墜王 ヒューバート・ゼムケ(HUBERT ZEMKE)

 

 

 

 

 

 

第二次世界大戦の有名なエースパイロットの一人ヒューバート・ゼムケ大佐率いる第56戦闘航空団はイギリスに進駐したアメリカ第8空軍の戦闘グループで最も有名な部隊です。
第56戦闘航空団に属した3つの飛行隊、第61~63戦闘飛行隊からは41ものエースパイロットを輩出しています。
エースパイロットとは敵機5機以上を撃墜したパイロットに贈られる栄誉です。
ゼムケ大佐も18機を撃墜したエース中のエースパイロットです。
第56戦闘航空団でエースとなったパイロットは、A-2フライトジャケットの裏地を赤いシルクに張り替える特権が与えられました。

リアルマッコイズ

イラストレーターの岡本博が1987年に創業しました
完成度の高いフライトジャケットのレプリカやジーンズなどを企画販売で一部のマニアに圧倒的な人気を誇っていました
バックペイントに関してもザ・リアルマッコイズカスタムワークスディヴィジョンがフライトジャケットのカスタムペイントを手掛け魅力的なカスタムを行っていました。
そのリアルマッコイズですが残念なことに2001年倒産、主立ったメンバーはちりぢりになってしまいました。
創始者の岡村氏は現在トイズマッコイを、カスタムペイントを手掛けていた草野氏はカスタムキングをそれぞれ興して別の道を歩んでいます。
現在のリアルマッコイズは、当時の特約店が引きついで新生リアルマッコイズとして生まれ変わっています。
当時のスタッフとは異なるため昔を懐かしむ声があるのも確かです。

写真は当時出ていたムックの表紙です。

TYPE A-2 ROUGH WEAR CLOTHING CO. “JABBIN’ JUG"

発売は1996年、リアルマッコイズが最も脂ののっていた時期の製品だと思います。
当時のムック「REAL McCOY #01」のP231にも掲載されています。
先ほどご紹介した第56戦闘航空団の第61戦闘飛行隊のエースパイロットが着用したモデルのレプリカになります。

 

ベースとなるのはラフウエアのモデルです。
ラフウエアのA-2は最も人気の高いモデルでしょう。台襟付きで軍服らしいカチッとしたデザインです。
ジッパーはコンマ-ですね。
革はマスタングハイド、野生馬(と言っても厳密な意味で現在は野生馬はいないのでこれは放し飼いくらいの意味です)ですね。
ホースハイド(馬革)なのですが、ブロイラー的な馬革とは区別されて表現されています。
鞣し(なめし)はクロムベジタブルコンビネーションタンニングです。
フィニッシュ(仕上げ)はピグメント(顔料)仕上げです。
※鞣しと仕上げの種類については後半に説明しています。参考にして下さい。

このベースモデルを所謂フルカスタムしているのが本モデルです。
ライニングはレッドシルク、それに合わせるように赤リブとなっています。
パッチは向かって左側に第56戦闘航空団、右側に第61戦闘飛行隊パッチが、左肩には第8航空軍のパッチが貼り付けられています
これらはすべてレザーパッチとなっています。

第56戦闘航空団パッチ

第61戦闘飛行隊パッチ

圧巻は背面のペイント、P-47サンダーボルトにまたがる女性がドイツ軍のメッサーシュミットをパンチでたたき落とす、まるでアメコミの1シーンのようです。

同じ時期にスティーブマックイーンの映画「戦う翼」でのマックイーンの愛機B-17のノーズアートのデザインをいれた「THE BODY」がリリースされています。
旧マッコイズのモデルでは双璧だと思います。

 

それにしてもこの時代のリアルマッコイズは手が込んでいます。
レザーパッチも胸のパッチはすべてレザークラフト、肩のパッチも周囲はレザークラフトで作られています。
近年のレプリカA-2のパッチ類はどのメーカーにせよほとんどがペイントです。
そしてシルクのライニングと背中のペイント、もし今同様のカスタムを仕上げるととんでもない価格になりそうです。

経年変化(エージング)

全体にやれた感じが出ています。

 

右前身頃です。なぜか左より色落ちして茶芯が出てきています。

脇もこすれて色落ちが激しいです。

革製品は経年変化を楽しめるのが良いですよね。
僕のA-2の仕上げはピグメントフィニッシュ(顔料仕上げ)なので「経年変化は出にくい」と言われていますがいかがでしょうか?
10年以上を経過し色落ちが進み経年変化を感じられる状態になっていると思います。
染料仕上げも気になるのですが、気楽に着ることが出来る顔料仕上げが僕には合っていると思います。

 

お手入れ

僕のお手入れ方法をご紹介します。
10年以上この方法で問題は出ていませんが、気になる方は直接メーカーに問い合わせて下さい。

ブラッシング

革靴でもご紹介しましたが、基本はブラッシングだと思います。
出来れば毎回着終わったらブラッシングをしてあげると汚れが蓄積せずに良いでしょう。
ブラシは馬毛を使います。豚毛や化学繊維の製品は革を傷めるのでおすすめしません。
ブラシはコートやスーツにも使えますので一つ持っていると便利です。
洋服専用のブラシも売っていますが僕は靴用のブラシを使っています。
といっても靴と服用を共用している訳ではありませんのでお間違えの無いように。

僕はコロニルのブラシを使っています。
ある程度大きくて使いやすいですよ。

汚れ落とし

汚れがひどいとき(こんなことはほぼ無いのですが)固く絞った雑巾などで軽く拭くようにします。
絞りが甘かったり、強くこすると革を痛めるので気を付けて下さい。
僕は洗剤などは一切利用していません。

オイル補給


革製品なので定期的なオイル補給は必要です。
といってもあまり頻繁に行うとカビの原因になるのでやり過ぎないことが重要です。
僕はシーズンの始めと中間そして保管する前の3回くらいですかね。状態を見て増減します。

オイルはマスタングペーストを使っています。
こちらを手にとって手で塗り広げます。
布で塗る方法もありますが、手の温度でマスタングペーストが溶け塗りやすくなることと、革の状態が確かめられるので手で塗ることをおすすめします。
塗る量ですがあまり厚く塗ると後で拭き取るのが大変です。
表面に残らないくらいに薄く塗るのが良いでしょう。

塗り終わったら一晩ほどおいて表面をから拭きします。
そのまましておくと残ったオイルにホコリが付きかびの元になります。

保管

着終わったらハンガーに掛けて保管しますが、出来れば風通しの良い箇所で保管して下さい。
タンスはカビの原因になるので避けましょう。
僕は不織布のカバーを掛けて目に付くところにかけています。
カバーを掛けるのはホコリによるカビ対策。
リブの虫食い対策に不織布内には防虫剤も入れています。

基本的にシーズンオフの保管は行いません。
これはカビ対策です。日本は高温多湿なため革製品の保管には向いていないと考えています。
クローゼットに入れてしまうと通気性も悪く次のシーズンまで目に付きませんのでカビなどに対するケアが出来ません。
シーズン中と同様に保管し、定期的にチェック、時々不織布から出して陰干し、時々日光浴をさせてケアしています。

クリーニング

リアルマッコイズも言っているようにクリーニングは革の風合いを変えてしまうため避けた方が良いと思います。
特にペイントモデルはクリーニングの成分でペイントが剥がれてしまうかもしれません。

実はこのジャケット、一度だけクリーニングの経験があります。
ドライクリーニングでは無くウォータクリーニングと言う「マイクロバブル」で洗浄する水洗いの方式です。
こちらでお願いしたところ革やペイントにダメージ無く洗浄できました。
汚れがひどく困っている方は試してみると良いと思います。

最後に

少し古いA-2ですでに購入は出来ませんが、これからA-2を購入しようとされる方に少しでも参考になればと記事を書かせていただきました。
またA-2だけでなく革ジャンを持たれている方でお手入れに悩んでいる方で参考にしていただけると幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

参考

鞣しについて

鞣しとは動物の「皮」の欠点である腐敗しやすさや乾燥すると固くなる性質を薬品を使い取り除く方法の事です。
鞣した状態のものを「革」とよび鞣す前の「皮」とは明確に区別しています。

鞣しには大きく植物タンニン鞣しとクロム鞣しがあります。
植物タンニン鞣しは古くから行われている方法で植物の樹皮から抽出したタンニン(渋)を用いて鞣しを行います。
2ヶ月程かけて芯までタンニン成分を浸透させるため堅牢で使い込むほど風合いが増すと言われています。
欠点は雨に弱いこと。定期的なお手入れが欠かせません。

クロム鞣しは塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品で鞣します。
タンニン鞣しに比べ安定していますので雨にも比較的強い傾向にあります。
またタンニン鞣しに比べ丈夫でしなやかな革を作ることが出来ます。
しかしタンニンを含まないので経年変化による風合い変化は楽しめません。

僕のマッコイズで採用されているのは2つの鞣しの良さを取り入れた混合鞣しです。
クロム鞣しを先に行い強く軽い革をつくり、その後一定量クロムを抜き取り再度タンニン鞣しを行うという手の込んだ方法を採用しています。
このようにすることでクロム鞣しの特徴である軽く丈夫で、タンニン鞣しの経年変化が楽しめる革となっています

フィニッシュ(仕上げ)

フィニッシュには顔料仕上げと染料仕上げがあります。
簡単に違いを説明すると染料は染める、顔料は塗ると言うイメージです。

顔料仕上げは「塗る」ので革の傷などを隠すことが出来ます。
また顔料が表面を守るので雨や傷などにも強い傾向になります。
しかし革の風合いを隠してしまうと言う欠点もあります。

染料仕上げは、「染める」ので革の風合いもそのまま楽しめます。
しかし革の表面はそのままですので雨や傷に弱いと言う欠点があります。